オープンソースのERP iDempiereでは、基本的な仕様として在庫管理を行う枠組みである"倉庫"は、倉庫の中にある在庫の責任部署を明確にするために、必ずどこかの組織に所属する事になります。この仕様によりセグメント(組織)別の貸借対照表を作成する事が可能になり、在庫の責任部署の明確化とセグメント別の業績評価という観点では理解できる仕様です。
しかしいっぽうで、現実的には複数の組織の在庫が、物理的に同じ倉庫に中に保管されている事はよくある事でしょう。複数の組織で使用している倉庫を"共有倉庫"とし、JPiereではその共有倉庫とセグメント(組織)別の在庫管理がスムーズに処理できるように検討し、カスタマイズを追加しました。
共有倉庫とセグメント別在庫管理の検討資料
共有倉庫と保管場所と保管場所タイプの定義例
カスタマズ情報
クラス
- org.adempiere.base.JPiereOrderLineModelValidator.java
- org.adempiere.base.JPiereOrderModelValidator.java
追加カラム
◆C_DocTypeテーブル
- JP_DocTypeMM_IDカラムを追加
◆C_OrderLineテーブル
- JP_Locator_IDカラムを追加
- JP_LocatorFrom_IDカラムを追加
- JP_LocatorTo_IDカラムを追加
- JP_ASI_From_IDカラムを追加
- JP_ASI_To_IDカラムを追加
- JP_MovementLine_IDカラムを追加
◆M_Movementテーブル
- JP_Order_IDカラムを追加
◆M_LocatorTypeテーブル
- JP_Location_IDカラムを追加
◆M_Locatorテーブル
- IsCommonLocatorJPカラムを追加
追加メッセージ
◆JP_CanNotChangeQtyForMM
- You can not change Qty. Because Inventory Move Doc created.(在庫移動伝票が作成されているため数量を変更する事はできません。)
◆JP_CanNotChangeMMInfoForMM
- You can not change Inventory Move Info. Because Inventory Move Doc created.(在庫移動伝票が作成されているため在庫移動情報を変更する事はできません。)
◆JP_PleaseInputToField
- Please input a value into the field : (次のフィールドに値を入力して下さい : )
◆JP_SameLocatorMM
- You are goring to create Inventory Move Doc at same Locator. (同じ保管場所に対して在庫移動伝票を作成しようとしています。)
◆JP_CanNotCreateMMforDiffLocatorType
- You can not create Inventory move doc at Sales Order because of different Locator type. (受注伝票では保管場所区分が異なる在庫移動伝票は作成できません。)
◆JP_CanNotCreateMMforDocType
- You can not create Inventory move doc because of missing Doc Type setting. (この伝票タイプでは在庫移動伝票を作成する事はできません。)