IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)では、「物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が買い手に移転したこと」を収益の認識の要件としており、この要件を満たすのは買い手が検証した時点とする「検収基準」で売上を認識する事が求められるとされています。
「検収基準」で売上を計上するためには、買い手から検証した旨の情報を受け取らないといけません。しかし、相手がある事であり、買い手側にも負担を強いる事になるので、実務的には、買い手から検証した旨の情報をタイムリーかつ確実に受け取るようにする事は困難でしょう。その場合、「みなし検収基準」で、出荷から納品(検収)が完了するまでの期間を見積もっておき、その期間を経過した日に収益を認識する事になります。
JPiereでは「みなし検収基準」として「倉庫」と「販売地域」をキー情報として、みなし検収基準の日数を設定し、出荷納品伝票の日付に、みなし検収基準の日数を加算した日で、売上請求伝票を作成する事ができます。
検収基準の売上伝票作成(プロセス)概要
「検収基準の売上伝票作成(プロセス)」は、納品がされていて、まだ請求されていない受注伝票のデータを対象に、売上請求伝票を作成します。売上請求伝票は、出荷納品伝票の「移動日付(MovementDate)」に「みなし検収基準日数(DeliveryDays)」を加算した日付で起票されます。
会計の”費用収益対応の原則”により、売上請求伝票から自動仕訳で起票される売上と、出荷納品伝票から自動仕訳で起票される売上原価を対応させる必要がある事から、出荷納品伝票の「転記日付(DateAcct)」を売上請求伝票の「転記日付」と同じ日付に修正し、出荷納品伝票を再転記します。
検収基準の売上伝票作成(プロセス)の条件入力画面イメージ
検収基準の売上伝票作成(プロセス)の条件入力画面イメージ
検収基準の売上伝票作成(プロセス)の条件入力パラメータ
◆組織(任意入力)
選択した組織の受注伝票を処理の対象とします。
◆伝票タイプ(任意入力)
選択した伝票タイプの受注伝票を処理の対象とします。
◆移動日付(必須入力)
選択した納品伝票の移動日付を処理の対象とします。
◆伝票ステータス更新(必須入力)
作成する売上請求伝票の伝票ステータス更新処理を選択します。完成にする以外を選択した場合は、確認中にする処理が実施されます。